手羽根竿と呼ばれる、リールのついていない竿を両手に持ち、ハゼ・シロギス・アナゴ・イイダコなど、江戸前の代表的な魚をターゲットにした小物釣り。オモリで海底を小突く「誘い」からブルッとあたる前のノリでアワセを決めて鈎掛かりさせる、リズミカルな釣法です。
ハゼ釣りに関しては江戸時代から釣り船が出ていたようです。
当時は富裕層である旦那衆の遊びとして、釣果よりも和竿(竹竿)をはじめとする道具類に凝る人が多く、和竿師達が旦那衆の細かい注文に応えようと技術を磨いたそうです。現代になり「江戸和竿」としてから伝統工芸品の認定を受けることとなる基礎を作った時代のようです。
戦後の昭和25年頃から「だれでも良く釣れる魚」としてハゼ釣りはブームとなり、多くの人が陸っぱりからや船からハゼ釣りを楽しんだようです。その後ナイロン糸が開発され、釣技も向上し競技会も盛んに行われるようになり、今では伝統釣法となった中通し手羽根竿の釣りが最も盛んな時代でした。
当時の釣期は9月中旬の彼岸からで、この日になると江戸前の釣り船が一斉に船を出しました。この伝統は今でも守られています。
サンスイでは特にハゼに注目して、この江戸前伝統釣法に用いる中通しの手羽根竿を開発してきました。
主流となっている小突き誘いに最適化した調子に仕上げています。
シーズン中、徐々に釣場の水深が深くなっていくので、高場(タカ)用、ケタ用と竿の調子を微妙に変えて、あらゆる水深で快適な釣りができるようラインナップしています。 ハゼ釣りにおいては釣り味も重視すべき点です。小さなハゼからの振動を手に心地よく響かせる素材を追求し、更には最適とされる竹素材の特注和竿も取り揃えています。もちろん、本格的な道具立てながら入門用に最適なお求めやすい竿もご用意しています。
2本の竿を両手に1本ずつ構えるのが基本的なスタイルです。
船がポイント上を移動していくので潮上の竿で魚を掛けそこねた時に、潮下の竿で掛けるという考え方により2本の竿を両手で構えます。2本の竿の間から左右の竿の仕掛けを投入・取り込みするので長さのあるハゼ竿の場合中通しにし、竿への糸がらみを防止しています。
この手羽根竿の釣りを始めるにあたって、なるべく最初から2本の竿を構える事をおすすめします。1本の竿で慣れてからもう1本の竿を持つのでは利き腕を優先する癖がつきやすく、右利きの場合左の竿も右手で上げるような操作が身についてしまいます。後で矯正するのはなかなか大変なので最初から2本の竿を操作する事に慣れた方が結果的いは上達も早いです。
当店オリジナルの入門用中通し竿が一対(2本一組)でリーズナブルな価格で販売しているのは、最初から2本の竿を使っていただきたいという願いからです。
竿の長さは釣場の水深で決まります。シーズン初期、水深3mくらいから始まり12月末には水深10m以上を徐々にハゼが移動していきます。当店のハゼ竿は、入門用の一対を除き高場(タカ用)水深8m未満、ケタ用水深8m以上とおおまかに2つに分けています。
入門用 九尺一対・十二尺一対(高場用)
SANSUI 鯊 十五尺SPECIAL(高場用)
SANSUI 鯊 九尺硬・十一尺硬SPECIAL(ケタ用)
SANSUI 鯊 十尺硬 SPECIAL(ケタ用)
SANSUI 鯊 十五尺硬 SPECIAL(ケタ用)
沙魚 小突 十三尺(ケタ用)
水深8〜9mまで
水深8m未満
水深12mまで
水深12mまで
水深12mまで
水深12mまで
オモリ3号
オモリ4〜7号
オモリ4〜7号
オモリ4〜7号
オモリ4〜7号
オモリ4〜7号
江戸前伝統釣法ハゼ釣りの最初の1本として最適。ハゼを誘い「ノリ」でアタリをとっていく釣り方にあわせた調子になっています。シーズン初期〜中期におすすめです。一対(2本一組)での販売です。
浅場での究極の手返し「ハネコミ」を実現するため、高弾性カーボンを採用。継数を通常の十五尺より少ない4本継にし、竿ダレを最小限に抑えました。シーズン初期〜中期の高場に。
小突性能を追求した中期~後期の深場用モデル。高弾性カーボンを使用しており、風雨の強いタフコンディションでもハゼの「ノリ」を正確に捉えられます。8号オモリで狙う夏のシロギス釣りにもオススメ。
シーズン後期の食い渋る抱卵ハゼに適した設計。風の強い時に威力を発揮する、長竿の特徴を持たせた短竿。夏の浅場シロギスにも適します。
水深10mの深場でも4号のオモリで正確な小突動作が可能な、軽量かつ感度の良いケタハゼ用竿。8号オモリで夏場のシロギスも狙えます。
¥1512 8%税込価格
視認性と糸サバキの良さを両立させた道糸です。従来鯊・中通し竿用の糸は糸サバキの良さから黒色を使うことが通例でした。手羽根竿の釣りでは竿を立てて糸をつかみ手繰る事が必要となります。糸をつかむ時に黒糸は見えづらいのが唯一の悩みでした。視認性の良い糸は逆に糸サバキの悪さが欠点でした。双方の良いところを併せ持った道糸が「SANSUI 鯊・鱚中通し専用糸」です。
糸サバキに関しては水深10mのケタハゼ釣りで何度もテスト。サバキの良さを確認しました。又、船べりをこすりながら手繰る事から耐久性のテストも15号オモリによる鱚釣りで実施。良好な結果を得ました。鯊・鱚の中通し竿専用糸として自信を持っておすすめできます。
一対シリーズ、硬SPECIALシリーズの竿なら仕掛けを変えるだけで5月〜8月のシロギス釣りもできます。ハゼとはまた違った、良い引きが楽しめます。
(オモリ8号以下を使用、乗合船では船長の許可が必要です)
船を仕立てることもありますので、手羽根竿でシロギス釣りをやってみたいという方はお気軽にお声掛けください。
中通し手羽根竿でのこの釣法なら、今までより一層ハゼ釣りの面白さを味わうことができるでしょう。
都内近郊より出船し、手軽に楽しめるこのハゼ釣り。リール竿では「ただの小物釣り」かもしれませんが、こんなにもおもしろい釣りなのかと実感していただけるはずです。