北海道東部に位し、天然記念物であるマリモの生息地として有名な阿寒湖。
周辺全てが国立公園という、正に手つかずの大自然に恵まれた雄大なフィールドです。
阿寒湖でのフライフィッシングにおける主なターゲットはアメマス、レインボートラウト、サクラマス、イトウなど。コンディションの良いワイルドトラウト達と気軽に対峙出来る懐豊かな釣り場として多くのフライフィッシャーに認知されています。
標高は 400m 程でそれほど高地ではありませんが、かなり蒸し暑くなる東京の 6 月から比べるとまさに天国。 この時期は気候も穏やかで比較的過ごしやすい、避暑地としても人気の場所です。
東京(羽田)から飛行機で 1 時間 30 分程で着く釧路空港からさらに車で約 1 時間程度。 朝一番の飛行機を利用すると、正午前には釣りをしているという便利なアクセスも魅力的。ホテルの目の前が直ぐ釣り場という環境なので女性や初心者でも安心して釣りを楽しめます。有名な観光地という事もあり、周遊道路やトイレの整備もきちんとされているので嬉しいですね。湖南岸は阿寒湖温泉という温泉街なので、釣りの後はゆっくり温泉に浸かって疲れを癒やすのもおすすめです。
故・西山徹氏も愛した、豊かな自然と戯れながらのんびりとフライフィッシングを楽しむ気ままな週末なんていうのは如何でしょうか?
一部のガイド船などを除き、大半がウェーディングでの釣りとなります。シングルハンド、ツーハンドを問わず楽 しめ、湖の周遊道路から釣り場へのアクセスも非常に簡単。ホテルの目の前で果敢にライズするトラウトも多く見 られます。朝一番で釣りをして、冷えた体を温めにホテルへ戻るなんていうのも簡単ですよ。
この時期は水温が 10度を切る事もありますので水に浸かる下半身の防寒対策はしっかり行って下さい。特に冷え やすい女性の方にはネオプレーンウェーダーがお薦めです。 上半身に関しては天気によりかなり左右されますが、薄いダウンなどの防寒は必須ですね。天気の急変もあります から必ずレインジャケットも必ずご用意下さい。
有名ポイント「ボッケ」にて
バックスペースの少ない場所もありますが、基本的に遠浅の釣り場をウェーディングで狙うスタイルが主流なので オーバーヘッドで十分対応出来ます。湖の特性上、風が吹くケースが多くシングル、ツーハンド共に#6 番位が魚のサイズから考えても使いやすいタックルでしょう。ラインはドライフライにはフローティングライン。ストーリ ーマーなどの引っ張りものにはインターミディエイトラインがお薦めです。
この時期はトラウトの捕食対象物となる餌も豊富で、様々な釣り方が楽しめます。代表的なものはワカサギ、モン カゲロウ、ユスリカ、ハバチ、春ゼミなどです。この中でも特に大型魚が好むのがワカサギやモンカゲロウなので す。以下に代表的な使用フライをご紹介致します。
この時期は産卵の為に接岸します。産卵が終わった個体はフラフラと水面を漂いやがて息絶えますが、この時がトラウトにとっては絶好の捕食タイム。浅瀬や流れ込み付近に漂う大量のワカサギを大型魚が激しい捕食音と共に貪ります。この状態をイミテートしたフライがドライワカサギ。通称「ドラワカ」と呼んでいます。
随所に温泉が吹き出る阿寒湖では、比較的水温の高いエリアも多く、モンカゲロウの生息にも非常に適しています。 6 月はモンカゲロウの羽化(スーパーハッチ)に遭遇する事もあり、モンカゲロウに狂喜乱舞する大型魚のライズは 迫力満点です。
確かにワカサギやモンカゲロウの釣りは豪快で楽しいのですが、当たり外れが多いのも事実。湖に安定して生息し ているユスリカは食事で例えるなら「ご飯」でしょうか。イブニング(夕方)に出るユスリカは湖では外せないフライとなります。阿寒湖のユスリカは大きい物で#14 サイズ程にもなりますので大型のソフトハックルで対応可能で す。
6月の阿寒では春ゼミも水面を賑わしてくれます。トラウトにとっては大変なご馳走なのかも知れませんね。セミが出ている時は沖の潮目を狙って大型のドライフライを流す。同じようにハバチの場合は#12-14 サイズのブラックカディスがお薦めです。散発ライズは見られるけど、浮遊物が大きくないと思われる時はハバチを疑ってみて下 さい。
湖の釣りは並んで釣る事が出来る楽しみが魅力のひとつでしょう。それが気の合う仲間なら尚更でしょうね。 みんなでワイワイ楽しんで一日が終わり、その後はホテルでゆっくり釣り談義... こんな楽しみ方がエキスパートはもちろん初心者や女性でも手軽に味わえる北海道の懐の深さを是非体験してみてください。